恋するおばぁ -流星その①-

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沖縄県 小浜島。
今夏、この島で、生まれて初めて「流れ星」を見ました。

想像していたよりも、スーっとゆるやかに流れる姿にびっくり。
これなら願い事が3回、唱えられるかも。

見上げなくとも見えるほど、星で溢れた天上。

そんな星たちの明かりのボリュームを落とすように、
夏の太陽が昇り始めると、島全体がギラギラと輝き出します。

朝早く自転車で散策していると、家の軒先で風に揺れる着物がチラホラ。

島ではもうすぐ豊年祭。
タンスの中で眠っていた着物を陰干ししているそう。

  お祭りは、みんなクンジの着物を着るさ

トリコロール柄のシャツがとてもよく似合う、小柄なおばぁが教えてくれました。

  本で読んだ通り!

クンジとは紺色のこと。

小浜島には、豊作を願って深藍に染めた着物を着る風習が
今もまだ残っていたのです。

おばぁが紡いで織ったという「芭蕉布」の織物も見せてくれました。
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東京では、なかなか触れることのできない貴重な織物。
芭蕉の山吹色と藍色が、どこか懐かしい気分にさせます。

ひとしきり、小浜島の染織について話してくれたあと、
最後に手にした着物は、いい具合に藍が枯れたもの。

織地には、パッチワークのような継ぎはぎが。

  あのときは分からなかったさ

おばぁは、ジグザグの縫い目をなでながらハニカミます。

姑さんが“うちの人”を思って織ったものに、
ミシンの針を入れてしまったことを、とても悔やんでいました。

島の女の人たちは、自分の着物を織るのは後回し。
まずは愛する人、大切な人たちのために織るのです。

何人かの方々に聞いてみると、
「そう〜」と、答えはみな同じ。

そう話すおばぁたちの笑顔は、恋する女の子のよう。

ハナ唄まじりの帰り道、日陰は貴重な休憩スポット。

もんもんと熱を帯びた石垣さえも、影ではやさしくかこってくれます。

スカイブルーの名がぴったりな空には
オレンジ色の瓦屋根がよく映えていました。

波照間島でも感じましたが、
島ではすべての色がとてもイキイキとしています。

もちろん藍の色も。

地面にうつる影よりも、黒に近い色をした小浜の着物たち。

深く、濃く染め上げられた藍の色はとても力強い!
そして、なんともやさしくて温かな表情でした。
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そうそう。あの夜、天地の境があやふやになりながらも唱えた願いごと。
どうやら無事に、空まで届いていたようです・・・
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by okusta-jp | 2011-11-17 00:19 | 藍の話


藍にまつまるあれこれ。藍の魅力をひとつでも、感じていただけたらうれしいです。


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